デイトレード
その日のうちに手仕舞うデイトレード。主役銘柄を選び、トレンドや材料の波に1〜数回乗ります。スキャルより1回の値幅を大きく狙い、回数を絞る。『今日はどの銘柄が主役か』の目利きが収益の大半を決めます。
- 保有時間
- 数分〜数時間(当日決済)
- 取引回数
- 1〜10回程度
- 狙う値幅
- 1〜5%(時に一撃で大きく)
- 判断材料
- 5分足/日足・出来高・ニュース
- 心理的負荷
- 高いが、考える時間はある
この手法を回す手順
上から順に。各ステップをタップすると、その詳細セクションへ移動します。迷ったら、この順序に戻ってきてください。
何に気がつくのか ── 着眼点とシグナル
当日トレードの着眼点です。無数の銘柄・無数のティックの中から、彼らはごく少数のサインだけを拾います。『需給・価格・材料・相対力』の4カテゴリで整理しました。(スイングの日足/週足ベースの着眼点はスイングのページで扱います)
出来高の急増
何を:平常時の数倍の出来高が突然発生する。チャートの出来高バーが突き出る。
なぜ効く:出来高は『参加者の本気度』。値動きに出来高が伴うほど、その方向への動きは信頼でき、継続しやすい。出来高なきブレイクはダマシを疑う。
ギャップアップ / ダウン
何を:前日終値から窓を空けて始まる。多くは寄り前の材料が原因。
なぜ効く:窓は需給の急変サイン。埋めにいくのか、走るのか(Gap & Go)でその日の性格が決まる。スキャナーで最初に拾う対象。
VWAPとの位置関係
何を:出来高加重平均価格。その日の参加者の平均コスト。上にいれば買い優勢、下なら売り優勢。
なぜ効く:機関投資家の執行基準。VWAP上での押し目買い/VWAP奪回は、デイトレで最も使われる“地図”。多くの人が見ている=自己実現的に効く。
サポート / レジスタンス・節目
何を:前日高安、当日高安、キリの良い価格、移動平均線などの反発・抵抗帯。
なぜ効く:多くの参加者が同じ価格を意識するため、反発・ブレイクが起きやすい。注文(指値・逆指値)が溜まる場所=値が動くトリガー。
カタリスト(材料)
何を:決算サプライズ、ガイダンス修正、M&A、新薬承認、提携、規制、要人発言。
なぜ効く:持続する値動きの源泉。『なぜ動くか』の答え。材料の質(一過性かトレンド化するか)を見極めるのがデイトレの目利き。
板・歩み値(テープ)
何を:Level2の指値の厚み、大口の出入り、約定が買い側か売り側か。
なぜ効く:チャートに現れる前のリアルタイムの需給。スキャルパーの主戦場。大きな“壁”の崩れや、見せ板の消滅が瞬間の方向を教える。
相対的強さ(RS)
何を:指数やセクターが下げる中で、下げない/上げる銘柄。逆も同様。
なぜ効く:『一番強い馬に乗る』。地合いが上向いた瞬間、最も強い銘柄が最も伸びる。買うべき1本を選ぶための比較軸。
ボラティリティ(ATR)
何を:値幅の大きさ。ATRやベータで測る。動かない銘柄はそもそも対象外。
なぜ効く:デイトレは『動いてナンボ』。値幅がなければ薄利すら取れない。ボラと流動性の両立した銘柄だけが土俵に上がる。
なぜ『買おう』と思うのか ── 鉄板セットアップ
デイトレ/スキャルの代表的な型です。彼らは気分で買いません。事前に定義した“型(セットアップ)”の条件が揃った時だけ引き金を引きます。5つの型を、エントリー・損切り・利確まで分解します。(スイングの型はスイングのページで扱います)
オープニングレンジ・ブレイクアウト
寄り後5〜30分で作られる最初のレンジ(高値・安値)の外抜けに乗る。
- 1寄り後5〜30分でできる最初の高値・安値(レンジ)を引く。
- 2レンジ上限を、出来高を伴って明確に上抜けた所(▲)が起点。
- 3損切りはレンジ内、利確はレンジ幅の1〜2倍を目安にする。
寄りの綱引きの決着=その日の方向が出た瞬間。買い手と売り手のどちらが勝ったかが価格で可視化され、勝った側に追随が入りやすい。
なぜ利益が取れるのか ── 勝因の正体
勝てる理由は『よく当たるから』ではありません。期待値の数学と、それを実行に落とすリスク管理・規律。ここが本質です。
勝率が45%(負け越し)でも、利益が損失の2倍なら期待値はプラス。『当てる』ことより『損小利大の比率を守る』ことが利益の数学的な正体。
期待値シミュレーター
平均損失 = 1R 固定スライダーを動かすと、勝率が低くても損益比次第で期待値がプラスになることが分かります。
損切りは早く、利は伸ばす
1回の負けを小さく固定し(=ストップ)、勝ちトレードを途中で切らずに伸ばす。これだけで勝率が5割を切っても収益化できる。逆をやる(損を伸ばし利を即確定)のが負ける人の典型。
1トレードの損失を口座の1〜2%に固定
ストップまでの距離から逆算して株数を決める(ポジションサイジング)。どんなに自信があっても上限を破らない。連敗しても退場しない設計=市場に居続けられることが最大の優位性。
優位性がある場面だけ張る
1日中売買しない。条件が揃った“ A級セットアップ”だけにエントリーを絞る。取引回数を増やすほど期待値の薄い取引が混ざり、手数料とスプレッドで削られる。
1回の結果に意味はない、母数で勝つ
コイン投げのように、優位性のある行動を“数”繰り返して初めて期待値が現実の損益に収束する。1回の勝ち負けに一喜一憂せず、100回単位で評価する。
他人の感情(恐怖と欲)を取りにいく
利益の供給源は、パニック売り・高値掴み・狼狽損切りといった他の参加者の不合理。流動性が枯れた瞬間や、群衆が一方向に傾いた歪みを冷静に取る側に回る。
判断と実行を分離する
ルールを場が開く前に決め、本番では“実行するだけ”にする。リアルタイムで考え始めると恐怖と欲が判断を歪める。機械的に遂行できることが、感情に勝つ唯一の方法。
実例で追う(デイトレ)── 気づき → 判断 → 実行 → 決済
ここまでの当日トレードの要素を1本に統合します。各ステップで『何に気づき・なぜそう考え・何をしたか』を分解。これが彼らの頭の中です。(スイングの実例はスイングのページで週単位で追います)
好決算で窓を空けて寄った銘柄を、寄りのレンジ上抜けで買い、VWAPを背に伸ばして+1.8R で決済する典型的な1本。各ステップで『何に気づき・なぜそう考え・何をしたか』を分解する。
- 寄り前 8:10気づき
スキャナーに+12%のギャップ
何に気づいた前日引け後の決算でEPS・売上ともコンセンサス超え、ガイダンス上方修正。プレマで+12%、出来高は通常の8倍。
なぜそう考えた窓の理由=明確なポジティブ・サプライズ。一過性ではなく“見直し買い”が続きやすい質の材料。今日の主役候補。
何をしたウォッチリストに登録。プレマ高値 $52.4、前日終値 $46.0 を重要価格としてマーク。
- 寄り前 9:15判断
if-thenシナリオと株数を確定
何に気づいたプレマで $51〜52.5 のレンジを形成。VWAPは $51.6 付近で右肩上がり。
なぜそう考えた『寄り後にプレマ高値 $52.4 を出来高伴って超えたら買い、VWAP $51.6 割れで撤退』。リスクは1株あたり約 $0.8。
何をした口座リスク1%=$500 ÷ $0.8 ≈ 600株 と逆算。指値・逆指値の置き場所を決めておく。
- 寄り 9:30–9:42実行
オープニングレンジの上抜けでエントリー
何に気づいた寄り後 $51.8〜52.4 で12分レンジ。9:42に出来高急増を伴い $52.4 を明確にブレイク。歩み値は買い約定が優勢。
なぜそう考えた綱引きは買いが勝った。計画通りの“A級”シグナル。考える場面ではなく、実行する場面。
何をした$52.5 で600株を成行に近い指値で買い。逆指値を $51.6(VWAP直下)にセット。
- 9:42–10:05管理
建値ストップへ引き上げ、半分利確
何に気づいた$53.5 まで上昇後、$53.0 へ浅く押すがVWAPは遠く、押しで出来高が減少(健全な押し)。
なぜそう考えたトレンド継続のサイン。まず“負けないポジション”にし、利は伸ばす。
何をしたストップを建値 $52.5 へ移動(ここで最悪でも損失ゼロ)。$54.0 で300株を利確(+1.5R分を確保)。
- 10:05–10:30決済
勢いの失速で残りを利確
何に気づいた$54.8 で上ヒゲ+出来高クライマックス。次の足が陰線で、買いの勢いが切れた。
なぜそう考えた『伸ばす』フェーズの終わり。利を伸ばし切ったので、欲張らず確定する。
何をした残り300株を $54.6 で決済。トレード全体で平均 +$2.1/株 ≈ +1.8R。
- 引け後振り返り
ジャーナルに記録
何に気づいた計画通りのエントリー・損切り設定・段階利確ができた。最後の伸ばしはやや早かった可能性。
なぜそう考えた結果(勝ち)ではなく、プロセスを採点。ルール遵守度は◎。改善は『主役級の押し目では枚数を残す』。
何をした型・損益・感情を記録。再現性のある“勝ちパターン”として分類し、翌日の課題を1つだけ設定。
実戦シナリオ ── 具体例で“どう取引するか”
その日の主役を選び、地合いと型に乗るデイトレの代表的な場面を、具体例で追います。
状況:好決算で前日比 +9% のギャップアップ(仮の数値)。プレマ出来高は通常の数倍、指数も堅調。
指数(SPY)が上向きでリスクオン。ギャップを支える地合い。
EPS・売上ともビート+ガイダンス上方修正=“質の高い”材料。今日の主役。
寄り高値ブレイクのGap&Go。寄り後30分の主戦場で狙う。
プレマ高値/寄り高値を出来高伴って上抜けた初動。押しが浅いことを確認。
VWAP割れ、または寄り安値割れ。
ラウンドナンバーや前日の大きな節目で部分利確。VWAP上を維持する限り伸ばし、当日中に手仕舞い。
強い材料+窓=買いたい人が殺到。初動に乗れれば短時間で取り切れる。窓埋めには警戒。
状況:午前に売られVWAP下で軟調だった銘柄が、午後に地合い好転でVWAPを奪回(仮の数値)。
指数が午後に切り返してリスクオンへ。セクターも連れ高。
特段の悪材料はなく、需給の振れ(売られすぎ)の修正局面。
VWAP奪回+パワーアワー(引け前1時間)の再加速を狙う。
VWAPを出来高伴って上抜け、その上で支持を確認してロング。
VWAP再割れの直下。
引けにかけての再加速に乗る。当日中に決済(持ち越さない)。
VWAP奪回は地合い好転のサイン。午後の流れと引け成行の偏りを意識する。
状況:前日高値/レンジ上限 $50 を出来高伴って上抜けた後、$50 まで押し戻した(仮の数値)。
指数は横ばい〜やや上。個別の出来高で動く局面。
継続する材料 or テーマ。出来高ランキング上位の銘柄。
ブレイク→戻り→元抵抗が支持に転換する瞬間。ダマシを1回フィルター済み。
$50 のリテストで下げ止まり、再上昇の初動を確認してロング。
ブレイク水準 $50 の明確な下($49.6)。
ブレイクの値幅分(measured move)を目標に部分利確。
飛びつき(高値掴み)を避けつつブレイクの本物性を確認。勝率が上がる入り方。
注記銘柄名・数値は仕組みを理解するための例示であり、特定の売買推奨や将来予測ではありません。実際の相場では地合い・流動性・個別事情によって最適な判断は変わります。
テクニカル分析 ── 手法とスタイル別の使い分け
テクニカル分析は『未来を当てる魔法』ではなく、需給と確率を読むための“地図”です。同じ指標でも、保有時間(スタイル)が変われば見る時間軸も使い方も変わります。重要なのは(1)1つの指標を妄信しない (2)複数の根拠が同じ価格で重なる『合流(コンフルエンス)』を探す (3)テクニカルでエントリーとリスク(損切り位置)の両方を定義する、の3点です。なお長期保有では売買判断の主役はファンダメンタルズであり、テクニカルは『分割買いのタイミングと大局の方向確認』という補助に徹します。
多時間軸分析(3段ズーム)
上位足で方向、執行足で仕掛ける| スタイル | 環境認識(方向) | セットアップ確認 | 執行(引き金) |
|---|---|---|---|
| スキャル | 5分足(当日の地合い・VWAP) | 1分足(レンジ・直近の高安) | ティック / 秒足・板(瞬間の需給) |
| デイトレ | 日足(トレンド・主要な節目) | 15〜60分足(当日の構造) | 5分足(ブレイク・反発の確定足) |
| スイング | 週足(大局のトレンド) | 日足(ベース・移動平均・パターン) | 日足の終値 / 翌日の寄り(指値) |
| 長期 | 月足(超長期トレンド・経済サイクル) | 週足(割安圏・200日線・大底/天井圏) | 日足で分割買い(タイミングより“方向”重視) |
鉄則は『上位足の方向に、下位足で執行する』。上位足が上向きの時だけ、執行足の押し目・ブレイクを買う。上位足に逆らった執行足のサインはダマシになりやすい。スタイルが違っても、この“3段ズーム”の構造は共通です。
指標と使い方
カテゴリ別・各スタイルでの使用度(◎主軸/○補助/△限定)トレンド
移動平均線(SMA / EMA)
- 1価格(白)が移動平均(青)の上にある=上昇トレンド。買い目線に固定する。
- 2上昇の途中で価格がMAまで“押した”所(▲)が押し目買いの候補。
- 3MAを支えに反発したら買い、逆にMAを明確に割ったら手仕舞いの合図。
何を測る:一定期間の平均価格。トレンドの方向と、動的なサポート/レジスタンス。
使い方:価格が上向きMAの上なら買い目線。MAへの押し目を支持反発で拾い、MA割れを手仕舞いの基準にする。短期線が長期線を上抜く(ゴールデンクロス)でトレンド転換を測る。
注意:レンジ相場では機能せず、往復で削られる(ダマシ)。反応の速いEMAは早いがブレも増える。
MACD
- 1下のパネル:MACD線(青)がシグナル線(橙)を下から上に抜く=ゴールデンクロス(●)。
- 2そのクロスのタイミングで価格(上)を買う(▲)。0ラインの上抜けはトレンド入りの確認。
- 3逆に上から下抜く(デッドクロス)は売り・手仕舞いの合図。反応はやや遅れる点に注意。
何を測る:2本のEMAの差で、トレンドの方向・勢い・転換の兆しを同時に測る。
使い方:シグナル線とのクロスで方向転換、ヒストグラムの増減で勢いの加速/減速を読む。ゼロライン上抜けで上昇トレンド入りを確認。価格との逆行(ダイバージェンス)は転換の予兆。
注意:遅行指標。だましクロスが多く、急変には間に合わない。単独では使わず確認用に。
トレンドライン/チャネル
- 1安値同士を結んだ右肩上がりの支持線(実線)と、高値同士の抵抗線(破線)で“通り道”を描く。
- 2価格が下限の支持線まで下げて反発した所(▲)が押し目買い。上限はいったん利確の目安。
- 3支持線を明確に割れたらトレンド終了のサイン=撤退する。
何を測る:高値同士・安値同士を結んだ線。トレンドの角度と、反発・ブレイクの基準。
使い方:上昇なら安値を結んだ支持線で押し目買い、線割れで撤退。平行チャネルなら上限売り/下限買いの逆張り、ブレイクで順張りに切替。
注意:引き方に主観が入る。多くの人が意識する“きれいな線”ほど機能する。
ADX / DMI
- 1ADX(下)は“方向”ではなく“トレンドの強さ”を示す。25(点線)が分かれ目。
- 2ADXが25を上抜けた後(●)は強いトレンド=ブレイクの順張りが有効になる。
- 325以下はレンジ=逆張り(オシレーター)向き。戦法を切り替える判断に使う。
何を測る:トレンドの“強さ”(方向ではなく勢いの有無)。
使い方:ADXが25以上=トレンド発生→順張り(ブレイク)有利。20以下=レンジ→逆張り(オシレーター)有利、と戦法を切り替える判断に使う。
注意:方向は示さない(+DI/-DIで補う)。遅行する。
一目均衡表
- 1価格が“雲”(紫の帯)の上にある=強気。下なら弱気と、ひと目で相場の強弱が分かる。
- 2上昇中に価格が雲の上限まで押して反発した所(▲)が買い場。雲が分厚いほど支持は強い。
- 3価格が雲の中に入る・下抜けるとトレンドが崩れるサイン。
何を測る:雲(抵抗帯)・転換線/基準線・遅行スパンで、トレンドと支持抵抗を一括把握。
使い方:価格が雲の上=強気、下=弱気。基準線を支えにした押し目、雲のねじれ(変化日)、三役好転で総合判断。雲が厚いほど抵抗が強い。
注意:情報量が多く初心者は混乱しがち。要素を絞って使う。
モメンタム
RSI
- 1RSI(下)は買われ過ぎ(70+)・売られ過ぎ(30−)を測る。帯は30〜70の通常ゾーン。
- 2上昇トレンド中はRSIが40付近まで下げた所(●)が絶好の押し目=価格を買う(▲)。
- 3高値更新でRSIが切り下がる“弱気ダイバージェンス”は反落の予兆。強い相場では70超でも上げ続ける点に注意。
何を測る:値動きの強弱を0〜100で。買われ過ぎ(70+)・売られ過ぎ(30-)とダイバージェンス。
使い方:トレンド中はRSIの押し目(上昇トレンドでRSI40〜50への低下)を買い場に使う。価格高値更新でRSIが切り下がる弱気ダイバージェンスは反転の予兆。
注意:強トレンドでは“買われ過ぎ”のまま上昇が続く。逆張りの早仕掛けに注意。
ストキャスティクス
- 1レンジ相場が得意。下の20以下=売られ過ぎ、80以上=買われ過ぎ。
- 220以下で%K(青)が%D(橙)を上抜く所(▲)が買い、80以上で下抜く所(▼)が売り。
- 3価格がレンジ下限の支持(緑)に来たタイミングと重なると信頼度が上がる。トレンド相場では張り付くので使わない。
何を測る:直近のレンジ内で終値がどこにあるか。短期の買われ/売られ過ぎ。
使い方:%Kと%Dのクロスでタイミングを計る。レンジ相場の上限/下限での反転狙いに有効。スローストキャスでダマシを減らす。
注意:トレンド相場では張り付いて機能しない。レンジ専用と割り切る。
CCI
- 1CCI(下)は平均からの行き過ぎを測る。±100が強い勢いの目安。
- 2+100を上抜けた所(▲)は強いモメンタム=順張りの買い。−100割れからの戻りは反転狙い。
- 30ライン回帰は勢いの低下サイン。閾値は銘柄・時間軸で調整する。
何を測る:平均からの乖離。±100超で強い勢い/行き過ぎを示す。
使い方:+100上抜けでモメンタム順張り、±100からの戻りで行き過ぎの反転狙い。ゼロライン回帰でトレンドの勢い低下を確認。
注意:値が無限にぶれる。閾値は銘柄・時間軸で調整が要る。
ボラティリティ
ボリンジャーバンド
- 1バンド幅=ボラの大きさ。左側のように幅が縮む“スクイーズ”はエネルギーの蓄積。
- 2縮んだ後にバンドが拡大し、価格が上バンドを抜けた所(▲)がブレイクの初動=買い。
- 3トレンド中はバンドに沿って上げる“バンドウォーク”。±2σタッチ=即逆張り、は誤り。
何を測る:移動平均±標準偏差。価格のばらつき(ボラ)と相対的な行き過ぎ。
使い方:バンド収縮(スクイーズ)→拡大(エクスパンション)でブレイクの初動を取る。トレンド中はバンドに沿って動く“バンドウォーク”に順張り。レンジでは±2σタッチの反転狙い。
注意:±2σタッチ=即逆張り、は誤り。トレンドでは張り付く。スクイーズ後の方向は出てから。
ATR
- 1ATR(下)は1本あたりの平均値幅=ボラの大きさ。方向は示さない“物差し”。
- 2買値(▲)から「ATR×2」下に損切り(赤破線)を置く。ボラが大きいほど損切りは遠く、その分株数を減らす。
- 3これでどの銘柄でも1トレードの損失額を一定(例:口座の1%)に揃えられる=サイジングの中核。
何を測る:1本あたりの平均的な値幅=ボラティリティの大きさ。
使い方:損切り幅を『ATRの○倍』で置き、ボラに応じてストップと株数(ポジションサイズ)を自動調整する。利確目標もATR建てで設定。エントリーシグナルではなくリスク設計の中核。
注意:方向は示さない。あくまでリスク量の物差し。
ケルトナーチャネル
- 1幅広いケルトナー(橙)の内側に、狭いボリンジャー(青)が完全に収まる=強いスクイーズ(TTM)。
- 2蓄積後、価格がバンド外へ放れた所(▲)がブレイクの初動。
- 3“いつ動くか”を教える指標。方向自体は出来高や価格の抜けで別途確認する。
何を測る:EMA±ATRのバンド。ボリンジャーより滑らかなボラの帯。
使い方:ボリンジャーがケルトナーの内側に収まる『スクイーズ』はエネルギー蓄積→ブレイク前兆(TTMスクイーズ)。バンド外への放れで順張り。
注意:ブレイクの方向は別途確認が要る。スクイーズは“タイミング”の指標。
出来高
出来高
- 1下の棒が出来高=参加者の本気度。レンジ中は細く、注目が集まると急増する。
- 2抵抗(赤破線)を、出来高の急増(緑の長い棒)を伴って上抜けた所(▲)が“本物”のブレイク=買い。
- 3出来高を伴わない上抜けはダマシを疑う。値動きは必ず出来高とセットで見る。
何を測る:参加者の本気度・関心の大きさ。値動きの“裏付け”。
使い方:ブレイクは出来高増を伴って初めて信頼。出来高なき上昇は息切れしやすい。急増(クライマックス)は転換の節目。基本にして最重要の確認材料。
注意:出来高だけでは方向は決まらない。価格と必ずセットで読む。
VWAP
- 1VWAP(青)=その日の参加者の平均コスト。価格がVWAPの上=買い優勢、下=売り優勢。
- 2上昇中に価格がVWAPまで押して反発した所(▲)が、機関の買い支えを使った王道の押し目買い。
- 3損切りはVWAPの少し下。当日限定の指標で、日をまたぐスイング・長期では使わない。
何を測る:出来高加重平均価格=その日の参加者の平均コスト。
使い方:VWAP上=買い優勢、下=売り優勢。VWAPへの押し目買い/戻り売り、VWAP奪回をトレンド転換の合図にする。機関の執行基準で、多くの人が見るため自己実現的に効く。
注意:“当日”の指標。日をまたぐスイングでは意味を持たない(アンカードVWAPは別)。
出来高プロファイル
- 1右の横棒は“価格帯ごと”の出来高。最も長い帯=POC(出来高最大の価格)。
- 2POC(緑破線)はよく取引された価格=強い支持/抵抗になりやすい。価格はここで反応(●)する。
- 3出来高の薄い価格帯は素早く通過する。時間ではなく“価格”で節目を捉える発想。
何を測る:価格帯ごとの出来高。よく取引された価格(POC)と価値領域(VA)。
使い方:出来高の多い価格帯(HVN)は支持抵抗になりやすく、少ない帯(LVN)は素早く通過する。POC・VAH/VALを反発/ブレイクの節目に使う。
注意:対象期間の取り方で姿が変わる。時間ではなく“価格”で見る発想が要る。
OBV
- 1OBV(下)は出来高を累積し、資金が流入(蓄積)か流出(分散)かを示す。
- 2価格は高値を更新(▼)しているのに、OBVは前の山より低い(●)=水面下で売られている“弱気ダイバージェンス”。
- 3価格に先行して需給の変化を警告する。反落に備える/利確する判断材料。
何を測る:出来高の累積で、資金の流入(蓄積)/流出(分散)を測る。
使い方:価格が高値圏でもOBVが切り下がる=水面下の売り(弱気ダイバージェンス)。価格に先行して需給の変化を捉える確認材料。
注意:絶対値に意味はなく、方向とダイバージェンスを見る指標。
プライスアクション
サポート/レジスタンス
- 1サポート(緑)=買いが入る帯、レジスタンス(赤)=売りが出る帯。レンジ下限の支持で買い(▲)。
- 2レジスタンスを上抜けた後、その水準まで戻って“支持に変わった”所(▲リテスト)が低リスクの買い場。
- 3抜けた抵抗が支持に転換する=ロールリバーサル。損切りはその水準の少し下に置く。
何を測る:売買が交錯し反発・抵抗が起きる価格帯。前日高安・節目・ラウンドナンバー。
使い方:支持で買い/抵抗で売り、ブレイクで順張り。抜けた抵抗は支持に転換(ロールリバーサル)。すべてのセットアップの土台で、ここに損切りと利確を紐付ける。
注意:“線”ではなく“帯”。何度も試された水準ほど、抜けると大きく動く。
ローソク足パターン
- 1下落が支持帯(緑)に到達。長い下ヒゲのローソク(ハンマー)は、売られても買い戻された=売り圧力の枯渇。
- 2次に前の陰線を丸ごと包む大きな陽線(陽の包み足)が出たら、買い手優勢への転換サイン=買い(▲)。
- 3単体では機能しない。必ず支持帯など“重要な価格”と重なった所で見ること。
何を測る:1〜数本のローソクの形で、買い手/売り手の攻防と転換の兆し。
使い方:重要価格での long下ヒゲ(ピンバー)・包み足・はらみ足・十字線を反転/継続のサインに。指標より速く、価格そのものの“意思”を読む。
注意:単体・無関係な場所では機能しない。必ず支持抵抗など文脈と重ねる。
チャートパターン
- 1高値は同じ水準(水平の抵抗・赤)で抑えられ、安値は切り上がる(緑)=上昇三角形。買い圧力が貯まっている形。
- 2煮詰まった後、抵抗を上抜けた所(▲)がブレイク=買い。三角形の高さ分が値幅の目安(measured move)。
- 3ブレイクは出来高増を伴うほど信頼できる。だましに備え、抜けてから動く。
何を測る:フラッグ・三角持ち合い・ヘッド&ショルダー・ダブルトップ/ボトム・カップ等の値動きの“型”。
使い方:持ち合い(フラッグ/三角)のブレイクで順張り、反転型(H&S/ダブル)で転換を取る。パターンの高さ分を値幅目標(measured move)にする。
注意:後付けで“見えてしまう”罠。ブレイクと出来高で確定してから動く。
フィボナッチ・リトレースメント
- 1上昇(импульス)の後の“押し”がどこで止まるかの目安を、38.2 / 50 / 61.8% に引いておく。
- 2深い押しの代表が61.8%(橙)。ここまで下げて反発した所(▲)が押し目買いの候補。
- 3フィボ単独では効かない。移動平均や節目と“重なる(合流)”所ほど反発の信頼度が高い。
何を測る:上昇/下落幅に対する押し/戻りの目安(38.2% / 50% / 61.8%)。
使い方:トレンド中の押し目買いの“候補価格”を事前に引いておく。移動平均や節目とフィボが重なる所(合流)は反発の信頼度が高い。
注意:単独の魔法の数字ではない。他の根拠と重なって初めて意味を持つ。
テクニカルを使ううえの原則
◆合流(コンフルエンス)を狙う
1つの指標を信じるのではなく、移動平均・節目・フィボ・出来高など複数の根拠が同じ価格で重なる場所だけを狙う。根拠が増えるほど、確率(=エッジ)が上がる。
◆指標を盛り過ぎない
似た情報の指標を10個並べても、同じことを別の顔で言っているだけ(多重共線)。トレンド・モメンタム・出来高・価格から各1つに絞り、判断を速く・濁らせない。
◆エントリーと損切りをセットで定義
テクニカルの役割はエントリーだけではない。『どこが否定されたら間違い=損切り』を同じチャートで決める。これが損小利大とリスク管理の起点になる。
◆上位足優先・予言ではなく確率
下位足のサインは上位足の方向に従う時だけ採用する。そしてどんな手法も外れる前提で、当たった時に大きく・外れた時に小さく、を徹底する。
執行前チェックリスト ── 引き金を引く前に
毎トレード、引き金を引く前に回す確認です。クリックでチェックし、全項目が埋まって初めて“執行可能”。1つでも欠ければ、その回は見送ります。(チェック状態はこのブラウザに保存されます)